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2018年9月4日火曜日

思考を止めるな

今日訪問させていただいたお客様の会社でこんな話がありました。

チラシにQRコードを付け加えておいて、コードを読み取った人の数を数えれば、チラシの内容に興味を持った人がどのくらい居たのか正確に数えられる。
、、、と、こんな提案をしてその成果測定を行っていたところ、社長さんが来て「そんな風に簡単に分かるなら、新聞広告にもQRコード載せて数を数えて効果を測りたい」と言い始めました。

その場で僕は「そもそも、とにかく目にしてもらって認識さえしていただければそれで良し、という目的の広告内容とその媒体にQRコード載せて反応を測ってもなんの意味もありませんよ?」と答えてそのご意見をそっと突き返しました。

この社長さん、時々こういつ「ヒントをもらうとパッと短絡思考に陥ってしまう」傾向があるのですが、聡明な方ではあるので説明すればすぐに理解していただけます。
それで、その場はすぐ本来のテーマの話に戻りました。

、、、実はこんな感じの事って、結構色んなところで実にたくさん起きています。

「AI入れれば劇的にビジネスが変わる」とか「IoT活用すると業績や効率かたちどころに改善する」とか「キャッシュレスの仕組み導入すればインバウンドの外国人観光客が増える」とか、、、

もちろん、実際にそうなってる会社や工場やお店もあることでしょう。
けれど、それは「ソリューションを入れれば結果が出る」という話では全くありません。
そこに「利活用することによって、もしかしたら今まで確かめられなかったものを測ることが出来て、それによって今まで出来なかった改善手法を有効化できるんじゃないか」と言うような、業務や業績を改善するための仮説検証を行えるという前提があるからこそ、成り立つ話です。

そこをきちんと捉えて検討せずに「目新しい手法」=「バラ色の成果」みたいな話に飛びついてしまうのは、一見考えがあるように見えて「思考停止状態」です。

最初に書いた例の経営者さんはすぐにその事に気づいて自分で思考修正出来ていました。

けれども、世の中にはそういう「自分の頭で考える」ことが絶望的に出来ない大人の、なんと多いことか。

僕はこれ、「考える」という行為をとても軽く見てナメてるからなんじゃないか?と思っています。

42.195キロのマラソンを走破したり、前後半90分間サッカーグラウンドの中を走り続けるためには、何年ものハードなトレーニングの積み重ねが必要ですよね。
そういう基礎トレーニングを全くやらないままいきなりマラソン走って3時間以内の記録出せと言われても、よほどの天才でもない限り不可能です。

それと全く同じように、長い論理の積み重ねや簡単には出せない結論を、間違えずに正確に長時間考え続け、正しい結論を導き出すのには、非常に地道な基礎トレーニングやハードな思考訓練が必要です。

体力づくりを怠ったまま歳を重ねればマラソンどころか100メートル走るのだって出来なくなるのと同じように、思考訓練を怠って巷に溢れる「努力しなくても何となく理解できる話」だけを上澄み液すするように見聞きしてるだけでは、いざという時にマトモな思考は展開できません。

学生のときには否が応でも手順を踏んだ地道な勉強をさせられるので、知らず知らずのうちに「思考訓練」出来ているけど、社会に出ると「地道な思考訓練」する場もなくなりとにかく早く目先の結果だけ出すことを求められるから、あれよあれよという間に思考力が落ちてしまいますね。
そうやって、思考力が絶望的になくなってるのに気づくことさえ出来なくなってる、、、その恐ろしさはいくつもの歴史の出来事から学ぶことができると思う。

結果を出さなければならない。しかも「とりあえず目先の」ではなく「間違いなく未来に繋ぐことの出来る結論」へ正しくたどり着くことがシビアに求められる今だからこそ、僕は「思考すること」を止めてはいけないのだと心から思います。

分かりやすくて錆びついた脳に優しい話ばかりを見聞きしていてはいけない。
思考力に負荷をかけて、少しストレスも溜め込むくらいハードルの高い内容にチャレンジするようにして「思考力」を高めなければいけない。

思考を、止めるな。

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