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2007年12月8日土曜日

そのりんごは本当に赤いのか?

哲学とか思想とか・・・とにかく「考える」材料を見つけてはあれこれ考えるのが好き、というよりはクセになっているKissy。
そのきっかけにもなった、大学時代にやった「自問自答」です。 真っ赤に熟れた林檎を友達Aが持っていました。

 私:「真っ赤なリンゴだねえ」
 A:「ああ、ホントによく熟れて真っ赤だね」
私:「紅葉したもみじの葉と、どっちが赤いかなあ?」
 A:「・・・?なんだって?」
私:「・・・?だからさ、この赤いリンゴと紅葉の葉と、どっちが真っ赤かな?って言う意味だよ」
A:「・・・?」
私:「・・・何?何かおかしい?」
A:「もみじとリンゴは違うだろ?」
私:「いや、だからさ、真っ赤って言う意味では似てるだろ?」
A:「そりゃ色は似ているけど・・・リンゴの赤と紅葉の赤は全然ちがうっしょ?」
私:「・・・そうかな・・・?赤って言う意味では同じ赤だと思うけどなあ」
A:「赤さ加減が全然ちがうじゃん?比較にならないよ」
私:「・・・なあ、お前の言う赤さ加減って、どんな感じ?お前今このリンゴのこと、『真っ赤だね』って言ったよな?あそこの紅葉も葉っぱも、俺には真っ赤に見えるから、似ていると思うんだけど・・・?」
A:「イヤ、確かにこのリンゴは真っ赤さ。けど、あそこの紅葉だって、赤いと言えば赤い。けどこのリンゴの赤さとは全然違うだろ?だから『どっちが赤いか?』っていう次元じゃないよ」

私はここまで会話が進んで、ある疑念がわいてきていました。
「俺の言う赤さと、Aの言う赤さって、もしかして全然違うんじゃないか?・・・・ていうか、そもそも「赤さ加減」って何だ?なんのこと言ってるんだ?」 そう思ったら、次々と疑念がわいてくるのです。 俺もAも、「このリンゴは赤い」って言っている。たぶん色を測定する機械みたいなもので測ったら、ヒストグラムとかなんとかっていう数値で色の具合を測定できるんだろう。 けど、それは「そのりんごの色は測定値で○○です」って言うだけの事だよな?測定値○○が「赤」と決めたから、その測定ができるだけの話だ。その色を「赤だ」とだれもが感じることができるのか?現にその色を「赤」とは言っても、俺は紅葉の赤と同じ種類の赤だと思っているのに、Aは「赤は赤だが、全然違う種類の色だ」と言う。

「赤さ」ってなんだ? そもそも「赤」って何だ?どんな色だ?測定器で図った数値でいくつだ、と言うことじゃなくて、「赤」って何の事だ・・・? そんな風にグルグルと考えが回り始めたら、こう思えてきてしまったのです。

 もしかして、りんごの赤い色と、紅葉の赤い色を似ていると思っているのは世界中でおれだけか?もしそうなら、りんごの赤と紅葉の赤は違うっていうんなら、どっちが本当の「赤」なんだ?

・・・待てよ?そもそもそのりんご、本当に「赤い」のか? ・・・・大学の卒論でKissyは「色彩論」というテーマに取り組みました。結果的に自慢できるような内容のモノにはならなかったのですが・・・その「色彩論」というテーマに取り組むきっかけになったのが、この疑問です。

そして、こんな取り留めもない事を考えたあと、この問いに対して、色々な角度で、いろいろな次元で、答えを見つけようとしてあーでもない、こーでもない、と考え続けました。大学を卒業するころには、この疑問に対して、ある程度答えらしきものが(自分なりに)見つかったのですが、そこへ至るまでには、さまざまな思索を巡らせました。 久しぶりに夜、仕事から離れて少し物思いにふけっていて、そんな事を思い出しました・・・。せっかくなので、この続きを整理して、書いてみようと思います。とりあえず今回のはその1回目。まったくの自己満足の世界ですけれども・・・時間をかけて、少しずつ・・・。

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